あいの手紙
「ほっほんとだっ!!
あははっ間違えてたみたい!ありがと、川瀬君!」
もうこうなったら笑うしかなくて、、
恥ずかしさで熱くなる顔をレポートで扇ぎながら、ごまかすようにいつもより饒舌になった自分に気付かない振りをして話を続けた。
「川瀬君、もうレポート終わった?結構量多かったよね?あたしなんて、今日も必死にやってやっと終わったよ!それで今美月に貸してあげようと思って探してたら教室に忘れてたの思い出して…あっ美月ってテニス部の背のちっちゃい可愛い子ね。それでこんな時間だから誰もいないだろうなって思って教室来たら川瀬君たちがいて・・・」
「中西って・・・」
彼の言葉に私のフル回転だった口も喋るのを止めた。
昨日と同じで夕日に浮かび上がる彼の笑顔は優しくて、見惚れてしまうのはしかたのないこと。
永遠の時が流れるんではないかと思った頃、
彼が突然噴き出してお腹を抱えながら声も絶え絶えに言った。
「…っほんっと、意外!!中西ってもっとしっかりキャラだと思ってたけど、何気抜けてるところもあるのなっ!!」
アハハと笑い続ける彼に私はもちろんただ呆然とするばかり。
だって…
ってかなんで私こんなに笑われてるわけ!?
いや確かに私笑ってごまかしましたけどっ!
正直彼がここまで笑うとは思ってなかったので予想外。
「ゴメンネッ!!川瀬君の想像通りのしっかりした女の子じゃなくて!」
彼の描いてた自分とは違うと言われたのが悲しくて、つい突っぱねるような言い方になってしまった。
「いや、そうじゃなくて…今まで知らなかった中西の内面が見れた気がして嬉しいっていうか…そのそーいう抜けたとこも可愛いって意味で・・・って俺何言ってんだろーなっ!!だから・・・」
このあとも川瀬君は必死に何かを言っていたみたいだけど、その言葉はあたしには届かなかった。