あいの手紙
「あれっ!?もしかして鳴瀬先輩じゃないっ!!?」
キャッキャッとテンションの高い声が
この睨み合いの緊張状態を破った。
男達の遥か後方。
さっきまでその位置にいたはずの女の子達が今では既に涼のすぐ目の前にまで迫っていた。
???
突然の事態に戸惑う男たちに対して涼は相変わらず睨みをきかせたまま。
「涼先輩ですよねっ!!キャーこんなところで会えるなんて!花火みにきたんですか!?」
涼周りにキャーと甲高い声で群がる少女達に男達はア然。
怒る気持ちもどこかへ消えてしまったようだ。
かろうじてこの状況に飲み込まれなかったあきらが女の子たちにくってかかる。
「おっおい!今は俺らがそいつに用あるんだよ!どけって!!」
けど、それも虚しく、ギロリと睨む女の目に気圧されて、あきらはそのまま口をつぐんでしまった。
涼は相も変わらず、男たちを睨み付けてるけど。