あいの手紙
焦った彼からでた"可愛い"の一言にあたしのココロは支配されていた。
あたしが可愛い…?
勢いで出てきてしまった言葉かもしれないけれど、ウソじゃないって信じてもいいよね?
真実だとは限らなくても、ほんの少しでも思ってくれたって期待しても・・・いいですか?
ガラッ
「ゆっこ!!ごめん~レポートあった?…」
タイミングよく教室を開けたのは美月で、
その場にいたあたしたち二人は思わず固まってしまっていた。
「ッアレ?か、川瀬君!?えっなんで?あれ!?あれっ私おじゃまっ!?」
私は興奮している美月を必死になだめて、その誤解を解いた。
「それじゃ、おれ部活行くから。じゃまたな。」
そう言って川瀬君は教室を後にした。
彼が教室から出ていった瞬間一気に肩の力がフーッと抜けた。
はっきり言って美月が来てくれたのはかなり助かった。
だってあのままずっと川瀬君と二人でいたら、私勘違いとかして告白しちゃってたかもだし…
今は彼の言ってくれた言葉だけで十分で・・・
美月には変な誤解をしないようによーく説明して、私たちも教室を後にして部室へと戻って行った。