あいの手紙
「その・・この間は泣いて喚いたりしてごめんね。
涼を困らせたくはなかったんだけど…
不安で不安で・・・
私、涼のこと信じてるから。だから、もうこの間言ったことは忘れて!
ちょと柄にもなくわがまますぎたかも。」
にこっとわらって、
涼が許してくれたら、もうあんなこと言わないように気をつけるから。
私は大学生で、涼は高校生。
それは変えようのない真実で。けれど、わたしは涼の彼女なんだから、
もっとあなたを信じていなくちゃいけなかった。
そう思うから、だから、いつもみたいに太陽のような明るい笑顔を見せてほしい・・・
…けれど、涼は困ったような、それでいて少し怒っているかの様な複雑な表情を
うかべた。
ただ笑ってほしかった。
うん、わかったって私だけが好きだよって。
そう言って笑って欲しいだけなのに・・・
気がつくと頬に流れる一筋の涙がポトリ、ポトリとその雫を握りしめた私の掌に
落ちてゆく。
あぁ、また私は泣いたりなんかして、
これじゃ涼があきれちゃうよ。
けれど
どこか、涼ならこんな私も許してくれるという期待を抱いていた。
だから・・・
「もう、お願いだから泣かないで。」
涼の口からこう一言放たれた言葉はぐさりと
私に深く突き刺さって鋭い痛みをもたらした。
ここまで涼を困らせていたとは正直思わなかった。
心のどこかで、強く期待しすぎていたのかもしれない。
けれど、ここまではっきりと言われてしまってはそんな期待すら
もう抱くことはできなかった。