あいの手紙



もはや、あふれる涙を止める術はなかった。

次々とおしよせる涙を手で拭おうにも追いつかず、
ポタポタと服に跡を残す。


自分の情けなさに
ごめんと謝ろうとしたときだった。


ぎゅっと強く私を抱きしめる感覚だけが世界を支配した。



「ごめん、ほんともう泣かないで。
 俺、これ以上由良ちゃんに泣かれるとめちゃくちゃにしたくなる。
 情けないけど、おれ由良ちゃんの涙にだけはどうしても勝てないみたいだ。
 ひどいかもしれないけど、泣いてる由良ちゃんをみてると自分を抑えられる自信がないんだ。いますぐここに押し倒して、俺がどれだけ由良ちゃんを愛してるか
思い知らせてやりたくなる。」


どきどきと早鐘を打つような涼の心臓の音に
同調して私の心音も速くなる。


あふれ出ていたはずの涙もいつの間にか引っこんでいた。


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