あいの手紙
「りょ、りょう…?」
きつく抱きしめられているため、涼が今どんな顔をしているのかわからない。
・・・けど、でも、
涼は…私のこと嫌いじゃない、ってことだよね?
ただの面倒な女だとか、しつこい女だとか、そう思ってるわけじゃないって…そう思っていいんだよね?
一度引っ込んでしまった涙が無意識のうちに溢れくる。
泣かないでって言われたのに、止めようにも流れ続ける涙は抑えようがなくて…
「…涼、嬉しすぎて涙止まんないや…。」
そう言って強く抱きつきかえした。
私の力のこもった腕に、一瞬涼もびっくりして私を捕らえていた腕力を緩めたけれど、
すぐにまた優しく、でも力強く私を包み込んでくれた。
「由良ちゃん…もっとこれからはなんでも俺に言ってね?」
頭の上から柔らかな声が降ってくる。
「うん…わかった。」
夏の空、楽しげに虫達が音楽を奏でる中
二人でいつまでもこのまま抱き合っていた。