あいの手紙


思わず耳を疑った。


今、・・・“広人”って・・・。

 
え?まさか。


あれ、広人?どういうこと?


私は混乱する頭で必死に考えた。


今、あの扉の向こうには、私の知ってる、
私の大好きな広人がいるの・・・?


私…今日帰ってきたら、家に広人がいなくて、

それで、ご飯作って待ってたけど、


…連絡すら来なくて。


それで、今あの扉の向こう側には、

広人が・・・


いる・・・?





「…あかね・・・早く。」




・・・今朝の女の人と一緒に・・・




ガチャリとドアノブがゆっくりと回った。


そっと開く扉の向こう側がまぶしい。



当たり前だ。

だってこっちは真っ暗な部屋の中で、
あっちは、エレベーターホールの明かりがサンサンと輝いているのだから。


…目の前が、にじんで見えなくなるのだって・・・






当たり前なんだ。




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