あいの手紙
「それじゃあ、今日はここまで。はい、さようなら―」
担任の号令でクラスメイトの皆は思い思いに行動し始めた。
そそくさと教室を後にする者や、
部活の準備をしていたり、久々にあう友達と休み中の話に花咲かせたり。
でもそんな中には当てはまらず私は一人机に座っていた。
結局何事もなく今日一日が終わってしまった。
今日こそは運命的な出来事があるんじゃないかと期待し続けて早17年。
何が起こるわけでもなく平和に暮らしてきました。
そう、平和に。
または平凡にとも言い、
そして、味気ないとも読む。
決して今の生活が嫌なわけじゃない。
大好きな家族に友達。
そこそこのレベルの高校に、優しい部活の先輩。
担任だってこの学校の中じゃハズレじゃない。
それに恋愛だってまぁそれなりに…ゴニョゴニョ。
この生活に満足してない訳じゃないんだ。
そう…なにか…
なにかが足りない気がしてならないんだ。