あいの手紙
「手伝うよ。」
いつの間にこんなに近くにいたのか、
ひょいっと私からレポートの山を取り上げて川瀬優吾は順番に机の上にレポートを並べていった。
「あっありがとっ!!」
その姿をボーッと見ていた私は急いで彼の元へと近寄っていった。
「川瀬くん、部活はどしたの?」
「あぁ゛~、今日休み!」
彼はそう言ってるけど、うちのクラスのバスケ部は部活行ってたよ?
なんでウソを付いてるのかわからないけれど、私にはそれ以上追求することは出来なくて、
ただ
制服姿のまま彼と黙々とレポートを並べていくばかりだった。
「手伝ってくれてありがとねっ」
すべてを並べ終え、私たちはそろって窓辺に立っていた。
「いや、全然。そういやさ…」
どこか言いづらそうにしている彼を不思議に思いながら見てみる。
なんだか、そわそわしているように見えて落ち着きがなかった。
普段は明るくてしっかり者のお兄さん的な彼なのに。
そんな彼を見るのは初めてで、皆の知らない川瀬優吾を見れているみたいで嬉しい反面、一体何を言われるのか、不安でドキドキした。