あいの手紙



「こらーお前らもう教室閉めるぞー」


突如現れた先生に肩がびくりと揺れた。



もう…先生突然はびっくりすぎるってば、、、



「…あぁー、じゃっ帰ろっか。」


「ふふ、そだね。」



予想外すぎた先生の
登場に、
さっきまでの緊張はどこへやら、私たちは2人顔を見合わせて笑い合っていて、、、、先生に急かされるようにかばんを持って教室の外へと出た。


廊下から見える西の空はもうほんのりと暗くなりはじめていた。



「すっかり遅くなっちゃってごめんね。」


靴を履き換えながら、となりに立ち1番上の下駄箱から彼はスニーカーを出して


「いいよ、全然。中西こそ暗くなっちゃったけど大丈夫?」


なんて心配そうな顔をしてくれる優しい彼。



ちょっとした言葉が、表情が私の心臓をドキドキさせるんだって…わかってるかな?



「大丈夫!私家近所なんだ。」


心配してもらえるのは嬉しいけど、迷惑はかけちゃダメ。


そんなのわかってるから、、、
私は
ニッコリ笑って見せる。


< 22 / 180 >

この作品をシェア

pagetop