あいの手紙
「あら、ゆう。今帰って来たの?」
隣の家の玄関から、
なんともタイミングよくお母さんがひょっこりと姿を現した。
「今日はゆうの好きなハンバーグよー」
なんて、この今の情況を全くわかっていないお母さんは呑気に笑っているけれど。
・・・・・・笑えませんからぁ!!
家の門の前にはまだ彼がいて、突然現れたお母さんに目を丸くしている。
そりゃ、びっくりですわな。
彼に気付かぬままニコニコしながら隣の家の庭を突き抜けたところで、ようやく"あらっ!!"と彼の存在に気がついた。
「この子ったら!誰かいるなら言ってくれればいいのに!」
なんてオホホホと笑いながら私のところまでやって来て、
バシンッと背中を叩かれた。