あいの手紙
襖をあけて部屋を入ると
そこはもう足の踏み場もないくらいに物が広がっていた。
「もー!!お母さん何やって・・・・」
足元に落ちているソレを拾う。
「・・・写真?」
部屋中に広がる写真の山にはいたるところに私が写っていて、
「懐かしいでしょ~!!んもうっこんな目に入れても痛くないくらい可愛かった子が、今じゃこんなに反抗的で…お母さん悲しいっ!!」
なにが"悲しいっ!!"
だっ!!この性格はお母さんの子育ての集大成だいっ!
顔全面で不機嫌をアピールしているのに、お母さんときたらどこふく風で、違う写真に見入っている。
君はいったいなにがしたいんだっ!!
「お母さん?何か用があって呼んだんでしょ?」
「あぁっそうだった!!」
って・・・
おいおい…しっかりしてくださいよ?
私を呼んだ目的を忘れないでっ!
テーブルの上を掻き回して、ようやく"あった"と一枚の写真を取り出して私に見せてきた。
「覚えてる?幼稚園遠足で行った園山公園の写真よ。」