あいの手紙
「これ…」
彼から差し出された一枚のタオル。
使ってもいいってことかな・・・
遠慮がちにだけど、素直にタオルを受け取った。
「…ありがと」
お礼を言うと、
彼は"別に…"とそっけない返事と、微かな笑みを向けてくれた。
「私、帰るね。」
ここにこうしているのも気まずいし…
そう思って自分のかばんをとって席を離れる。
「待って、中西…
あのさ、無理にとは言わないけど何かあったら俺に話して。…それに、もっと・・・」
そこで一旦言葉を切った。少し迷うように視線を宙に漂わせている。
「"もっと"…なに?」
せっつくように聞いてしまったかもしれないけれど、気になるんだもん。しかたない。
それでも言いよどむ彼は一度顔を手で覆ってしまって表情が読めない。
けれど、少しして決心したように顔を上げ私を見つめてこう言ったんだ。
「強がらないで
俺を頼って。」