あいの手紙




沈黙が二人の間に流れた。




何で黙っちゃったんだろ。




気にしてないよ、と答えればきっと彼もほっと安心していつもみたいに微笑んでくれると思ったのに、



いま目の前にいる彼の表情は沈んでいるように見えて・・・






なぜだかとても悪いことをした気もちになってしまった。









「ゆっこっ!!」







振り向くと廊下の反対側にコズエが立っているのが見えた。





「あっ・・・」




どうしよ・・


キョロキョロと川瀬君とコズエ、二人の間を私の眼が泳ぐ。








そんなとき、絶妙なタイミングで



5時間目を知らせるチャイムの音が校内に響き渡った。





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