あいの手紙



何をするでもなく、
ただ二人で桜の木にもたれ掛かっていた。






隣には散りゆく桜をぼんやりと眺める川瀬くん。



もちろん、恥ずかし過ぎたさっきの態勢からは


もう・・・とっくに離れていた。




あのままだったら心臓持たないし。




いくら授業中とはいえ、いつ誰が来るともわからない。





少しだけ背中がさみしくなったけど、




今は隣に温かさを感じる。







「桜ってさ・・・何か思い出させてくれたり…しない?」




「え…?」




突然だったからだけど、


私は間の抜けた返事をしてしまった。






「あ、別に俺だけかなっ!?」





必死にフォローする彼がまた可愛くみえて、




"私もそんな気がする"


なんの根拠もないのにそう答えてしまった。







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