あいの手紙
「……私に会う権利なんてないと思うの。」
そう思った。
「…権利?」
「うん。私ね、実はこの間夢に見るまですっかり"たっちゃん"のこと忘れちゃってて…。ほんと、最低な奴だねっ!仲良かった友達なのに…。だから、合わせる顔がないって意味で会う権利なんて私にはないのっ!」
なに私こんなしみじみした話してるんだっ!って暗くならないように最後の方明るく話してみたけど…
やっぱり
ごまかし切れないかな。
彼もそれ以上質問してこなくなり、少し空気が重くなってしまった。
ここは一つ明るい話でも!そう思って出て来たのが、この話。
「あっでもね!私たっちゃんにもらったひよこの人形だけはずっと宝物なんだ!これだけは小さい頃からずーっと変わらないの!」
いまいち元の話から逸れきれてない。
話を変えるつもりが
むしろ逆戻り。
こんなんで話が続くかなと思ったにも関わらず、川瀬君はこの話題に反応した。
「…背中にピンクのハートのあるヒヨコ?」
「うん、そうなの…
って、なんで知って…」
私のひよこにピンクのハートがあるのを知ってるのなんてお母さんくらいのはずなのに・・・