あいの手紙
タイミングを見計らうようになかなか話し出さない彼に
もどかしさを感じる。
「覚えてないみたいだけど、その…
ひよこの人形あげたの俺だから。」
はい?
「今なんて?」
何を言うのかと思ったら
なんてご冗談を。
「だって…私がヒヨコをもらったのは、たっちゃんだよ…?」
そう、これは間違いない。
ひよこをくれたのは
たちばなゆうごくん、その人。
そこまで私が言うと彼は、だからぁーと若干呆れたように、そして少し怒ったかのように強めに言ってきたんだ。
「おれがその"たっちゃん"だっつってんの!いい加減気付けよっ!」
そうまくし立てられた。
そうは言われても私の頭はこんがらがるばかりで。
つまり
整理してみると、
たっちゃんがひよこをくれた訳で、
そして、
たっちゃんってのは、
たちばなゆうごくんで、
・・・・・
んで?
川瀬君がひよこを私にくれてて?
川瀬君ってのは
かわせゆうごくんで…。
かわせゆうごくんが、
たちばなゆうごくん。