あいの手紙
無情にも5時間目の終わりを知らせるチャイムが校内に響き渡った。
このまま、このモヤモヤした気持ちのまま川瀬君と今別れてしまったら
これで終わってしまうような気がする。
そう、このままじゃいけない。
何かを大きく変えるためには、
大きく進む勇気を見つけなくてはいけない。
私の心を突き動かすように鼓動が逸る。
「…教室戻るか。」
制服についた芝生を払って立ち上がる彼を
・・・私の腕が止めた。
ほとんど、無意識だった。
ただ、このままつながりが断ち切れてしまうのが
怖くて、
このまま終わってしまいたくなくて…。
気がついたら彼のブレザーの裾をつかんでいた。
「・・・もっと…もっと話がしたい。」
今の私の精一杯だった。