あいの手紙
突然泣き出した私に、
必死に慰めるたっちゃんの姿が…
私の脳裏にぼんやりと浮かぶ。
私は最後の最後までたっちゃんを困らしていたんだなって、
いつも意地をはる私を庇ってくれるたっちゃんに
思い出せない記憶ながらも、
温かいものを感じてしまった。
もっと聞きたい。
忘れ去られた過去だけど、こんなに心惹かれる思い出。
私、なんで忘れちゃったりしたんだろう。
「それで?結局私何渡したの?」
話の続きが聞きたくて、
おやつをねだる子供みたいにせっついた。
川瀬君は
どこかを仰ぎ見て悩むような動作を見せたけれど、
これだよ。と
制服のポケットから小さく畳まれた紙を取り出して私に渡した。
なんで持ってるんだっ!ってビックリしたけど、驚きを表すよりも、中身に興味を惹かれて
彼から紙を受け取って
そっと開いた。