あいの手紙
「…ごめんね。」
ポツリ。
そう言葉にするだけで精一杯だった。
こんなに大切に私との思い出をとっておいてくれた彼に、
はたして私はどんな顔を向ければいいの?
心の中は
彼に対する申し訳なさと
忘れてしまった自分自身への
怒りとが
入り乱れて
心の中まで
ぐちゃぐちゃだ。
高校に入学して、
再会したというのに、素知らぬ顔でいた私をどう思っただろう。
…きっと
呆れられて嫌われた。
一言こぼしたっきり俯く私に何も声をかけて来なくなった彼にそう思わざるを得ない。
こんな私、めんどくさくなって、愛想を尽かされてもしょうがない。
そう思った。
のに、
「ゆうっ!おまっ!
思い出したのか!?」
がしっと掴まれた肩に軽い衝撃を感じ、
嬉々とした声をあげる彼に
私の目は
思わず"点" だ。