あいの手紙
期待の篭った目に
私は、
素直に頷いてもいいのだろうか。
いまさらになって
思い出した、なんて
都合が良すぎる。
それに
この彼の嬉しそうな様子に
私、期待しちゃってる。
まだ、許してもらえるのかなって。
私、嫌われてないよねって。
黙り続ける私を見た彼は
「ごめんっ!違ったなら謝る!」
なんて、
本来ならこっちが謝らなきゃならないのに…
感情に素直で優しい彼はどこまでも私に気を遣ってくれる。
「川瀬君は悪くないよ…私が全部悪い。」
どうしてこうも
罪悪感が一気に押し寄せると
心の中が虚無感に襲われるのだろう。
動きたくない。
しゃべりたくない。
これ以上私の中を掻き回さないで。
全てのことを放り出してしまいたくなった。