あいの手紙
なんで私に何も言ってくれなかったの?
幼いながら、たっちゃんに仲よしの友達だと思われていなかったことに
一人砂場で何も考えず穴を掘っていた。
心配した先生が滑り台でみんなと遊ぼうと声をかけてくれたのに、
そのみんなの中にたっちゃんが含まれていないことに悲しくなって、そのまま黙々と穴を掘り続けた。
なんで、引っ越すって教えてくれなかったの!
たっちゃんへの怒りが更なる砂の奥へとぶつけられる。
いつもと変わらなかったのに、
私に黙ってどこかに勝手に行っちゃうなんて許さないっ!
全ての怒りをぶつけるばかり。
結局なんの解決にもならないのに。
たっちゃんはもういっちゃったかな…
下を向いていると涙が零れそうになるから、袖で今にも落ちそうな雫を拭って上を向いた。
たっちゃんなんて嫌い。
大ッ嫌い。
思い出なんて消えてなくなってしまえばいいのに。
そう思った…