キミの隣は特別席Ⅱ
「いろいろ順番がくるってしまい、申し訳ありません。」
俺は頭を下げた。
「それは優一くんの知らないうちに勝手に進められたんでしょ?」
と義母さん。
「そうなんですが…」
どう切り出そうか…もう直球に行くしかないか
「遅くなりましたけど、マナさんを私にください。一生大切にします。」
もう一度頭を下げた。
OKはくれるだろう…
「この結婚の申し込みの挨拶いつなのか気になっていたよ。このままなしで進むのかと思っていた。もう私たちはマナの意思に任せることにしているから。わがままな娘だけど大切にしてください。」
義父さんも頭を下げた。
「マナのことよろしくね。」
と義母さんも頭を下げた。
「父さん母さんありがとう!」
マナはなぜか涙ぐんでいる。
「乾杯しましょうか?」
義母さんが立ち上げってキッチンの方へ行ってコップやビールなどを持ってきた。
「ビールはちょっと、車で来てるので」
「ここからなら歩いて帰れるだろ?」
お酒を断ろうとしたけど、もうコップに注がれてしまった。
まぁ、歩いて帰れるか…
「なんなら泊まっていっても大丈夫だから」
とにこにこしている義母さん。
「娘のこと頼みます。」
「はい。」
四つのコップがかしゃんと軽く当たった。
この時さらに順番が狂うなんて誰も知らなかった…
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