キミの隣は特別席Ⅱ
優一side


「社長?もうお帰りですか?」

片付けをしている俺に入って来た秘書が声かけてきた。

「あぁ…今日は子供たちの誕生日で早く帰るように言われてるから」

「お子さん思いですね。社長は」

秘書がにこにこしながら言う。でも俺的に気になるのは手に持っているファイル

「それ俺に渡すものだろ?」

「あ、でも…」

「急ぐものなら早く渡せ。」

そう言うと、急いで俺に渡してきた。一通りファイルの中身を見てサイン欄にサインして秘書に返した。

「後は任せた。何かあったら電話くれ。」

「はい。」



車を走らせ、注文していた子供たちのプレゼントを買って家に急いだ。

佐原たちもきてるから賑やかだろうな…

車を駐車場に止めると、ケータイが鳴った。ディスプレイを見ると『松堂樹』と表示されている。

「もしもし?」

「久しぶり!」

「何かあったのか?」

樹の声聞くのどれぐらい振りだろう?

アメリカに雪音と行って、そっちで結婚して子供が出来た。

「仕事の用事で一旦そっちに帰ることになったから。その連絡。」

「そうか…雪音とか元気にしてるか?」

「してる。帰ったら連絡するな」

「あぁ…」





部屋に入ると、子供が5人わいわいと遊んでいる。

「あっ!!パパだぁ!!」

優奈が一番に気が付いて俺に飛びついて来た。それから優真も

「誕生日おめでとう!お前たちいくつになったんだ?」

そう子供たちに聞くと、優奈は指で6を作った。けど優真は…

「「6歳」」

と2人が声をそろえて言った。

「はい、パパとママからのプレゼント。」

2人とも嬉しそうに渡されたプレゼントを抱きかかえた。




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