キミの隣は特別席Ⅱ
優一side

今日もまた呼ばれて、兄貴たちの手伝いに

と言っても今日は実家!

「みんなご飯できたわよ!」

書斎で仕事をしている俺たちを姉さんが呼びに来た。

「よし!休憩にしょう!」

兄貴や藤本さんたちと食堂に向かった。



兄夫婦にはもう1年前もう一人子供ができた。そのためか家政婦を2人雇った。

「子どもたちは?」

椅子に座りながら兄貴が姉さんに尋ねる。

「リビングよ。今ね東さん(家政婦)に見てもらってる」

呼んでくると言って、出て行った。




「兄さん」

「ん?」

今しかない!

「4年に上がったら、マナとあの部屋で一緒に住みたいんだけど、いいよな?」

今しかないと思い話を切り出した。

兄貴は俺をじっと見て、眉をひそめ口を開いた。

「いいけど…後で俺の部屋に来い」

そう言い、ご飯をさっさと食べてちょっとだけ子供たちの相手をして仕事をしている書斎に戻った。







俺が書斎に戻る途中

「優一!」

「あぁ…」

後ろから藤本さんに声を掛けられた。

「なんだよ?その返事。お前さ将来自分の立場がわかってんのか?」

将来の自分の立場…兄貴に言われた会社のたぶん社長…

「わかってる」

「わかってないな!優輝は自分が作った会社をお前に譲ろうと思ってんだ」

兄貴が作った会社ってIT関係の会社だよな?それを俺に?

「お前が大学を卒業したら正式に会社を譲るけど、4年になったら今より多くその会社のために働いてもらうから。そのつもりでいろよ!」

丁度話し終わった時、書斎に着いた。
部屋に入ろうとした時、藤本さんに耳音でささやかれた。


「えっ!?」




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