キミの隣は特別席Ⅱ
『今さっき優輝がマナちゃんに電話してた』
そう藤本さんに言われた。
まじか…兄貴は何を考えている?
そう思いながら、書斎に入った。
「2人とも遅いぞ!」
「悪いな!」
藤本さんが落ちていた書類を拾いながら言う。
「昇太、ちょっと席をはずしてもらえるか?優一と話したいから」
「わかった。終わったら教えてくれ」
パソコンを持って書斎を出ていった。
「優一そこ座れ」
言われた通り書斎のソファに座った。
「マナに電話したって本当ですか?」
「まぁ、話すから」
そう言い、俺と反対側に座った。
「お前が大学を卒業したら、俺が立ち上げた会社を任せようと思ってんだ。要するに社長にってこと。そしたら俺は正式に春沢グループ全体をしきる会長になるってことだ」
「それは知ってます。なんでマナに連絡する必要があるんですか?」
「お前、俺と亜紀が簡単に同棲とか結婚とかできたと思ってんのか?」
兄貴は俺を睨みつけた。
そういえばよく知らいない…
「親父たちの説得が大変だったんだぞ…もともと亜紀はここの家政婦だったし」
「それは知ってる」
「俺とおまえは兄弟だけど立場がとかが違う…そこまでプレッシャーとかないし、結構自由に育てられたしな…」
兄貴は…春沢の長男としてプレッシャーとかすごかったんだろうなあ…
「俺はお前に一応期待してんだよ。いろいろと…だからマナちゃんに連絡したんだ。春沢の男と付き合うために知っておくことを教えるために」
兄貴は理解してほしいと付け加えた
「わかった…」
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