キミの隣は特別席Ⅱ

「今度の日曜日にマナちゃんをここに呼んだから」

ここ、実家に?

「わざわざ呼ぶんですか?」

「俺動けそうにないし…お前いなくていいから。というかその日家に上がらせないから」

兄貴はそう言うと、仕事を始めた。しばらくすると、藤本さんも戻って来た。

「優一、今日はもう帰っていいよ」

「じゃあ、先に失礼します。」

自分の荷物を取って、書斎を出た。




「あら?優一くん、今日はもう帰るの?」

玄関を出ようとした時、義姉さんに呼び止められた。

「はい、兄さんにいいって言われたので」

「子どもたちにあって帰ってくれる?」

「わかりました」

義姉さんについて行ったど、丁度子供部屋に近づいた時、家政婦さんが部屋から出てきた。

「あ、奥さま。もうお2人とも寝てしまわれました」

「えっそうなの?」

姉さんが残念そうに俺の方に振り向いた。

「いいですよ。また、ここに来ると思うのでその時」

慰めるように、言って外に出た。




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