キミの隣は特別席Ⅱ
数日後、また兄貴に呼ばれて仕事の手伝いに
ここ数日マナと連絡してないな…
「お疲れさん、今日はもういいや」
兄貴にそう言われて、帰る準備をし出した。
「そう言えば優一、そろそろ返事くれないか?」
「何の返事ですか?」
「お見合いの。昨日父さんからメールが来てさ」
兄貴がパソコンを見ながら言う。
「兄さんも分かってるだろ?NOだよ。俺にはマナがいるし」
「マナちゃんでいいのか?」
「マナがいいんだよ!」
「マナちゃん以外で考えてくれないか?春沢のため…」
バンッ!
「春沢のためにマナを犠牲にしろって言うのか?」
俺は机を叩いて兄貴を睨みつけた。
「マナちゃんが優一といたいとかって言ってんのか?」
兄貴が睨み返してきた。
「…」
「言われたり言ったりしてないな。」
兄貴はため息をついた。
「優一。この見合い話、マナちゃんに言ってある。よく自分の将来を考えろよ。」
兄貴はそう言うと部屋を出て行った。
マナに話してるって!?だから、最近避けられるのか?
兄貴の奴!よけいなこと言いやがって!
俺は会社の駐車場でマナに電話をして、車を走らせた。
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