キミの隣は特別席Ⅱ

深刻そうな顔をこっちにむけている。

今しかないのかな…?

「兄貴から聞いたんだろ?」

優一が口を開いた。

「何を?」

「親父が持ってきたお見合いの話」

「…うん」

隠すことなんてできない…

「俺はお前にいて欲しい。」

優一の目がまっすぐこっちを向いている。

「そんなの…」

「できないのか?」

「だって…」

今、言うしかない…

「優一は春沢の人間だし…平凡な家庭に生まれたあたしなんて釣り合わないよ!!今までたくさん…」

我慢していた涙が、糸が切れたみたいに流れ出す…

「ごめん…我慢させてて」

優一が抱きしめてきた。

温かい…でも…





優一の胸を押した







「ごめん…もうあたし無理…」





.
< 53 / 137 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop