キミの隣は特別席Ⅱ
深刻そうな顔をこっちにむけている。
今しかないのかな…?
「兄貴から聞いたんだろ?」
優一が口を開いた。
「何を?」
「親父が持ってきたお見合いの話」
「…うん」
隠すことなんてできない…
「俺はお前にいて欲しい。」
優一の目がまっすぐこっちを向いている。
「そんなの…」
「できないのか?」
「だって…」
今、言うしかない…
「優一は春沢の人間だし…平凡な家庭に生まれたあたしなんて釣り合わないよ!!今までたくさん…」
我慢していた涙が、糸が切れたみたいに流れ出す…
「ごめん…我慢させてて」
優一が抱きしめてきた。
温かい…でも…
優一の胸を押した
「ごめん…もうあたし無理…」
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