キミの隣は特別席Ⅱ
優一side


マナの父親を追って家の外に出た。

庭にはベンチや慧用の砂場がある。

「お父さん?」

マナの父親はベンチに座って、タバコを吸っている。

「こんなところを見られるなんて…」

タバコを靴で踏み消しながら言う。

「タバコは止めてたんだよ…」

「そうなんですか…」

お父さんの隣に座った。





「マナは性格はきついが照れ屋で優しい子だ…」

重い口をマナの父親は開いた。

「はい。」

「私は春沢グループが経営しているホテルで働いてる従業員だ…君いや、優一さん、くん…とは」

マナの父親が言いたいことがわかった。

俺んちが経営しているホテルの従業員だから、身分とか家柄が違いすぎて不安なんだろう。





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