らぶ☆すとーりー 3
俺が12階へ上がると編集長が出迎えてくれた。



「どうなさったんですか?市川建設の副社長がこんな所へ。」



そう言いながら、俺は応接室へ通された。



「実はこの絵本なのですが・・・。」



「あぁ、この絵本ですね。いい絵本でしょう?」



「はい。」



「この人にお会いしたいのですが。」



「あぁ、この人ですか・・・。」



「はい。」



「この人はまだ学生さんですよ?あっ、でも、少し年がいってたかな?」



「逢えないですかね・・・?」



「実はこの人、社外に顔を出さないと言う約束で絵本を出したんですよ。


 だから、いくら副社長でも・・・ちょっと無理ですね。」



「そこを何とか!」



「すみません。」



そう言って編集長は頭を下げた。





< 160 / 179 >

この作品をシェア

pagetop