窓、ひらけば君と恋。
二人は靴を履き玄関を出た。


傘をさして二人は並んで帰っていった…


私は二人が消えていくまでその場に立ちすくんでいた…


二人の傘が見えなくなると私はその場に座り込んだ。



香奈の笑顔が私の胸に突き刺さった…


いつの間にか涙が流れていた。


手でぬぐっても涙はボロボロと雨のように流れてきた…



私は泣いていて後ろに人がいることに気がつかなかった…



「蒼井さん…松原知らないかな…って泣いてる?」


誰?

私はおもいっきり後ろを振り向いた。


森田君…

森田君はすぐ後ろにいた。


私は気を取り直して答えた。


「松原君は…香奈と…」

さっきの場面を口にするとまた涙が流れた。


「木村さんと?ていうか、体調悪い?大丈夫?保健室行く?」

森田君はオロオロしていた。なんだかおかしくなった。


「クスッ…森田君オロオロしすぎ。私は…大丈夫だから」


私は自分に言い聞かせるように言った。


「座って…話聞くよ」


森田君はさっき松原君が座っていた場所に座った。


私も腰をおろした。


「森田君…松原君と最近仲がいいらしいね。松原君言ってたよ」


そう言うと森田君は少し驚いたようだった。


「へぇ…松原がそんなこと言ったんだ…珍しい」


「そうなの?」


「うん。あいつはあんまり自分のこと話さないから。ましてや女子に…意外と蒼井さんのこと…」


私は立ち上がって、


「それは違うと思う。森田君が言いたいことは分かる。でもそれは私じゃない…香奈だよ…一緒に帰って行ったし…」


すると森田君が…

「蒼井さんは…松原が好きなんだね」


えっ…なんで分かるの…


「私ってそんなに分かりやすい?」


「だって嫉妬で泣くってことは恋かなって思ったから」


嫉妬?


「私は香奈に嫉妬したってこと?」


うん、と頷くと森田君は立ち上がり、


「雨止んだよ。帰ろうかな」


そう言うと帰って行った。


「あっ。もし相談する人がいないんだったら、いつでも聞くよ」


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