窓、ひらけば君と恋。
「す…す…すいませんっ!!」


私はベッドから転げ落ちた。


だって…ベッドの上で松原君の顔が目の前に!しかも…抱き抱えられて………


「痛い…」


ベッドから落ちた私はしばらく起き上がれなかった…


「大丈夫か?」


松原君は普通にきいてきた…


なんでそんなに普通でいられるの?



…そうか…私だけ舞い上がってるだけか…


「戻ります…」


私は窓を乗り越えようとしたら…


「ここにいろよ」



「へっ…何…」


何言ってるの?真顔で言わないでよ…


「だって…じゃあ私ソファーにでも…」


「違う部屋にいたら意味ないだろう」


一緒の部屋に…一晩泊まれと…?


「なんで…そんなに普通でいられるの?」


「だって冷静じゃないとお前が心細いだろ。二人とも混乱してたら意味ない」


松原君はたんたんと喋っていた。



そういうことか…


「ちゃんと考えてるんだね。心強いです…ありがとう…」


「素直でよろしい」


そう言うとクローゼットから布団を取り出した。


「オレ下で寝るから。ベッド使えよ」


そう言って電気を消した。


部屋は静かになった。


どうしよう…松原君と一緒の部屋にいる…


緊張する…汗が…


私は眠れない体を落ち着かせようと窓まで行き、近くのイスに座った。


今日は月の光だけで部屋が明るかった。


電気がついていていたら気付かなかった。


「綺麗…」



「オレがそんな感想言ったらまた笑うか?」



私はびっくりして悲鳴をあげそうになった。


「そんなに驚かなくても…」


そう言うとイスを持ってきて隣に座った。


「なんで隣に座るの!」


私は少しずれた。


「何むきになってんだよ…」



「…」
「…」



沈黙が…


「いつも話してる途中って沈黙があるよね…」


「そうだな…」


月あかりが私たちを照らしていた。なんだかいつもと違う雰囲気…

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