窓、ひらけば君と恋。
夜になると公園には誰もいない。


昼の忘れ物なのかボールが落ちていた。



街灯が少し離れたところにあって、暗かった。



「きれい…」


私たちは花火を始めていた。


もう残り一本になっていた。

さっきから無言で花火をしていた。



「あのさ…どうして花火誘ってくれたの?」


松原君は花火を消すと、立ち上がり、


「別に。花火が残ってたから」


「…………クスッ」



私は思わず笑ってしまった。



「何……」



「いや…なんだかいつものクールな松原君に戻ったなぁ〜って。クールな松原君が好きだから…」



松原君か少し固まって、


「帰るぞ」



「ハーイ」


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