窓、ひらけば君と恋。
そう私が決断したときだった…。



バンッ!!



おもいっきりドアを開ける音が教室に響いた。



「ど、どうしたの…?」


息を切らしながら森田君が教室に入ってきた。

そして、汗を流しながら私の側に来た。



「森田君…?」


「ハァ…ゴメン、いきなり」


「何かあったの…?」


「英人は、蒼井さんのことが好きなのに…」


「…?」


何が言いたいの?


「オレはあいつのこと全然分かってなかったのかな…」


「松原君になにかあったの?」


森田君が私の目を真っ直ぐ見つめた。


「英人が…」



「告白を受け入れたんだ…」



……



「え…香奈の告白を…?」


香奈と松原君が…



「よ、よかった…香奈、松原君と付き合えるんだ…よかった…本当に…」


どうしよう…上手く喋れない…



「おい…大丈夫かよ」


私はとっさに後ろを向いた。


泣きそう…

でも泣いちゃダメだ…香奈の告白が成功したんだし、喜ばなきゃ。


松原君だって、どこかで香奈のことが気になってたんだね…



「松原君、相談してくれればよかったのに。香奈のこと…」


体が震える…抑えなきゃ…


「沙織さんのことも、乗り越えようとしてるんだね…」


「おい…無理してないか…」


「無理なんか…」



森田君が私に近づいてきた。


私のすぐ側にいるのが分かった。



「大丈夫か…」


そう言うと、私を後ろから抱きしめた。


「…!森田君…」



教室は静かだった。


「大丈夫…オレが英人に聞いてみるから…」


そして強く抱きしめた。


すごく温かかった…


「我慢しなくていい…泣けばいい。オレの前では泣いていいから」


その言葉に抑えていた涙が溢れてきた。




< 42 / 62 >

この作品をシェア

pagetop