窓、ひらけば君と恋。

親友の恋

9月−始業式

夏休みが終わったからといってこの暑さは終わらない…



教室も久しぶりに友達に会い会話が途切れることはない。



「香澄〜!久しぶりっ〜元気だったか」


朝一番に声をかけてきたのは親友の南彩夏。その後ろには木村香奈。


彩夏は私たち三人の中で中立的。まとめ役なかんじ。スラリと背が高くて細い(うらやましい…)


香奈は正直者。なんでも思ったことは言っちゃうタイプ。小柄でかわいらしい。



そういえば松原君は何組なんだろう…私たちの学年は6クラス。私は6組…なんかドキドキしてきた…


ん?なんでドキドキするのよ…



「あっ!なんかさ、ウワサなんだけど…うちのクラスに転校生……あっ!先生来たっ!」


先生が教室に入って来るとみんないっせいに自分の席についた。


シーンと静まる教室にヒソヒソと声があちこちから聞こえる。


『転校生くるのかな?』

『男子?女子?』


私は胸が高鳴っていた…他の人とは違う気持ちで。


きっと…


先生が口を開いた。


「おはよう。なんだかみんなも知ってる通り、今日は転校生が来ています。拍手で迎えて下さい」


みんなが期待の眼差しで拍手をし始めた。


私はドキドキしながら拍手をした。



ガラッ…


教室のドアが開いた。



松原君が入って来た。言うまでもなく、女子の声援が押し寄せてきた。



『カッコイイ!!』


そういう言葉があちこちから聞こえてきた。
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