ワタシノ好キナ王子サマ★
私は良い返事を返そうとしたが、野次馬達の小さな声の悪口が耳に入ってきたので、ギリギリの所で言葉を呑み込んだ。


「あの女調子乗ってない??」

「てか、稲穂君とどういう関係??」

「何アレ…どっちと付き合ってんの??」


何も知らない観客は、言いたい放題言っていた。


「帰るぞ。」


私の手を掴んで、和哉は出口へ向かった。


「あ、待ってくださいよぉ〜!!」


基之君も私達の後を追った。
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