永遠に―とわに―
初出勤
「いってきます…」
私は久しぶりに母に言葉を発したと思う。
すると、母がリビングからバタバタと足音をたてて、
「大丈夫?体調は悪くない?」
母は私を気づかってくれる。
私は初めて母の優しさにふれたかもしれない。
そう思うと、涙が溢れてきて止まらなかった。
でも、きっと母の優しさにふれるのは初めてじゃないと思う。
いつだって母は私を気づかってくれた。
第一に考えてくれるのはいつも私だった。
ただ私が気づかなかっただけ。