禁断的な愛し方
祥次は光に


あのことを伝えようか


悩んでいた。


本当は喉まで出ていた


兄妹じゃないということを



しかし


なぜか告げる


勇気がなかった


なぜだろう




「私ね。あの朝、夢を見たの?」

「え」




祥次は現実に引き戻された





「お兄ちゃんが結婚しちゃう夢。」




悲しげな表情だった

祥次は真剣に光を見つめた




「けどね、なぜか花嫁さんの顔がわからなくて。それで、夢の中で私、花嫁さんの顔が見たくて、どうしてもお兄ちゃんがどんな人と結婚しちゃうのか、知りたくて思わず…教えてって叫んじゃった」





祥次は思わず抱きしめたくなった




「変よね、ただの夢なのに。…うっ…。あれ。なんで泣いたんだろ。バカみたい、泣いたりするなんて。」

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