Two Strange InterestS
 ちっ……ギャルゲーには主人公との親友(男)とのEDもある場合があるというのに! 柔軟性が足りないよBLゲー!

 ――いや、だから、違う違う。思考が横道にそれるとすぐにこうなんだから。
 私は自分の中にある雑念(煩悩?)を振り払って、椅子に座ってこちらを見下ろす彼を、見上げてみた。

 普段とは逆のポジションに、少しだけ違和感。
 改めて、私がこの空間に慣れていたんだなってことを感じる。

「……薫、今日もこれからバイトだよね?」

 ちなみに現在時刻は午後4時前。彼のバイトは4時半からだと聞いている。
 私の言わんとすることを察した薫が、椅子から降りて私の隣に座った。
 私を見つめる表情がニヤニヤしているのが、少し悔しいけど。

「でも、今日は10時に終われるはずだから。っていうか帰ってくるから」

「りょーかい」

 真顔でそんなこと言われたら、変な意地を張る気も失せてしまった。

 彼がバイトに忙しいから……一緒にいられないこと気にしてるのは、もっと一緒にいたいと思っているのは、もしかして私だけかもしれないなんて、変なことを考えてしまったんだけど。

 帰ってくる。そう断言した彼の言葉を信用して、私は、

「じゃあ、そのゲームの続きやってる。っていうか生徒会長と後輩、攻略していい?」

「別にいいけど……俺の前でネタばれ発言したら都がドン引きするくらい怒るぞ♪」

「……了解しました、肝に銘じておきます……」

 薫の笑顔に背筋が寒くなりながらも、遂に、BLゲーに手を染めてしまったのである。


 そして、その結果は。
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