Two Strange InterestS
 ……ごちそうさまでした。思わず合掌して、画面に向かって一度ぺこり。

 ゲームを好きなだけ堪能した私は、そのまま椅子にもたれかかって天井を見上げた。

 パソコンの時計は、午後10時過ぎを示している。しかしこのBLゲー、侮りがたし。情事のシーンは基本的にすっ飛ばしたが、それでも十分楽しませていただきました。

 主人公(=プレイヤー)視点で進むから……一部乙女ゲーかと勘違いするような演出に、私も少し……いや、本当はかなり、ときめいてしまったよ。あの時間は文字通りのときめきメモリアル。あぁ、乙女な感性を思い出させてくれてありがとう。

 あらかた妄想に浸って満足してから、思考を三次元へ切り替える。そろそろ彼が戻ってくる時間だろうか。彼はたまに、レストランでのミスオーダー料理を持って帰ってきてくれる。最近では働く彼のためだけに、料理担当の仲間がそれらを詰め合わせたお弁当を作って持たせてくれることもあるのだ。勿論、普通に美味しい。
 お菓子を食べながら進めていたけど、よく考えたら何も飲んでいないしまともに食べていないし。

 正直、薫のおこぼれを待っていたのは事実。だけどこれ以上彼にたかるのはさすがに申し訳ないので、私はパーカーを羽織って、財布と携帯電話、鍵を握った。
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