Two Strange InterestS
 今日は少し風が強く吹いていた。雲の動きが早くて、月は見えない。まぁ、この周囲はコンビニやマンション、車の通りもあるから、真っ暗闇を一人で歩くわけではないけれど。
 ただ、時折木々が大きく揺らぎ、不気味な音を響かせている。

 ゲームの後は炭酸に限る。コンビニで調達したパスタを右手に、ワンコインで買ったジュースを左手に持ち、帰ってきた彼にどこまでゲームの話をしてやろうか、私が頭の中で色々と計画を立てていると、

「――あ」

 思わず、足が止まる。
 私が帰りたいマンションの入り口。そこで誰かを待つ人影に、見覚えが、あった。


 林檎ちゃん、だ。
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