Two Strange InterestS
「彼女とは学校が違ったから、しょうがないんだけどさ。結局彼女は他県の大学に進学を決めて、薫の側からいなくなった。奴は今まで以上に女性への接し方を変えて……それから、誰とも付き合わなかったんだ」
今、彼に会ったら……私は、どういう言葉をかければいいんだろう?
「薫は何とか立ち直ったように見えたけど、でも、それが空元気だってことはすぐに分かった。だから俺はわざと、自分が持ってるゲームや同人誌を奴の近くに 置いたんだ。元々、俺がそういう活動をしているってことは知ってたけど、実際手にするのは初めてのものばかりだったみたいだけどな。んで、奴が一番興味を 示したのが――綾美の同人誌だったんだよ」
「綾美の!?」
「言わずもがな、ボーイズラブだよ。薫がBLを読み始めたキッカケは、綾美だったんだ。その親友が今の彼女だもんな。縁ってすげぇや」
思わぬところで繋がった、私と薫。
その事実が、少し、嬉しかった。
それと、同時に、
「私……本当に、何も分かってなかったんだなぁ……」
自分自身が、腹立たしくてたまらない。
彼の辛さを表面的にしか見ていなかった自分が、外見で色々大変、でもそこで終わりなんだと自己完結していた自分が。
名前を呼ばれることへの苦痛も、その先生が彼を名前で呼んでいたからだろう。そしてきっと、当時付き合っていた彼女も。
また、私は……気がつかずに、薫を苦しめていた。知らないなんて言い訳だ。彼が話せる覚悟を決められなかったのは、まだ、私にその資格がないから。
頑張って歩み寄ってくれたのに。名前まで呼んでくれたのに……。
私は……彼に、信用されてなかったのかな。
無意識のうちにハンカチで顔をおさえる。涙が……止まらない。
今、彼に会ったら……私は、どういう言葉をかければいいんだろう?
「薫は何とか立ち直ったように見えたけど、でも、それが空元気だってことはすぐに分かった。だから俺はわざと、自分が持ってるゲームや同人誌を奴の近くに 置いたんだ。元々、俺がそういう活動をしているってことは知ってたけど、実際手にするのは初めてのものばかりだったみたいだけどな。んで、奴が一番興味を 示したのが――綾美の同人誌だったんだよ」
「綾美の!?」
「言わずもがな、ボーイズラブだよ。薫がBLを読み始めたキッカケは、綾美だったんだ。その親友が今の彼女だもんな。縁ってすげぇや」
思わぬところで繋がった、私と薫。
その事実が、少し、嬉しかった。
それと、同時に、
「私……本当に、何も分かってなかったんだなぁ……」
自分自身が、腹立たしくてたまらない。
彼の辛さを表面的にしか見ていなかった自分が、外見で色々大変、でもそこで終わりなんだと自己完結していた自分が。
名前を呼ばれることへの苦痛も、その先生が彼を名前で呼んでいたからだろう。そしてきっと、当時付き合っていた彼女も。
また、私は……気がつかずに、薫を苦しめていた。知らないなんて言い訳だ。彼が話せる覚悟を決められなかったのは、まだ、私にその資格がないから。
頑張って歩み寄ってくれたのに。名前まで呼んでくれたのに……。
私は……彼に、信用されてなかったのかな。
無意識のうちにハンカチで顔をおさえる。涙が……止まらない。