Two Strange InterestS
「都ちゃん、君が自己嫌悪を感じることはないよ。話さないままで、自分の判断だけでキミと距離を置こうとした薫が悪いんだ」

「でも……私、何も知らなかったことを言い訳にしたくない。薫が話してくれなかったのは、私のことを心から信じてくれなかったから。そんな行動をしんかった私も……悪いんだから」

 目の前のゲームと、薫。その二つを同時に手に入れた充足感で、大切なことを見失っていた。

 そして、ようやく少しだけ彼に近づけた、そんな気がした。

 大樹君もこの事実を話す人間は慎重に選ぶはずだ。私はようやく、彼と向き合って話せるだけの情報を手に入れたんだ。

「でもやっぱり、薫も……私に分かってほしいなら、もうちょっと話してくれなきゃ、だよね」

「そこは本当に面目ない。俺の調教が足りなかったみたいだ」

「……大樹君、本当に薫のこと、親友としか思ってないよね?」

 涙を拭いた私が疑いの目を向けると、彼は綺麗な笑顔で断言する。

「俺は美少女が大好きだ!」

 よし合格。
 彼に向って無言で親指を突き出しつつ……私は、脳内で情報を整理する。

 これから彼と向き合うには、どうすればいいだろう?

「……って、複雑に考える必要はないんだよね。私が直接、言いたいことを言って……後は薫が決めることなんだから」

 そう、私との今後をどうするのか……それは、私が決めることじゃない。
 ようやくスッキリした私に、彼は軽く頭を下げて、

「親友として頼むよ。本当にそう思うなら、薫の近くにいてやってほしい。それで、奴の誤解をといてやってくれないかな?」

 彼のいう「誤解」の意味が分からず、私は首をかしげる。
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