Two Strange InterestS
「薫の、誤解?」

「薫は多分、昔の彼女と都ちゃんを重ねてしまってると思う。だから、当たり前だけど彼女とは違うって……バカな親友の頭にこれでもかってくらい。叩き込んで欲しいんだ」

 さすがに私は苦笑するしかなかった。

「……ははっ、なるほど、ね……まぁ、しょうがないかな」

 本当だよ、彼は大馬鹿だ。
 私が……当時の彼女と同じだと思った? 別の女性と噂が立ったら別れを切り出すような、そんな女だと思った?

「正直、何も知らない都ちゃんをここまで引っかき回したんだ。薫が愛想をつかされてもしょうがない状況だってことは分かってる、けど……」

「……大丈夫だよ、大樹君」

 彼の言葉に、私は一度だけ頷いた。そして、

「これくらいの問題がないと、単調なシナリオってことでユーザーからクレームが殺到しちゃうわ。大樹君が話してくれたおかげで、私は完全に彼のルートに入ったって確信してるから……後は私が間違えなきゃ、トゥルーエンドに行けるはずでしょ」


 精一杯の強がりも、何とか様になって。

 私は一度空を見上げて……この場にいない彼を、想った。
< 132 / 160 >

この作品をシェア

pagetop