Two Strange InterestS
「……俺は、都のことが、好きだよ」

 声が、震えている。

「薫……」

「本当は最初にちゃんと伝えなきゃいけなかったんだ。遅くなってゴメン……俺、は……都のこと、誰よりも好きなんだって。誰よりも大切だから、俺の側にいて欲しいって……伝えたかったんだ」

 その言葉を聞いた瞬間、また、涙が溢れる。
 もう、ダメだ……嬉しすぎて息が詰まった。夢じゃない、目の前にいる薫は……幻じゃ、ない。

「分かって欲しい。私が一番辛いのは、薫の側にいられないことなんだよ?」

 そう、君が原因のトラブルなんか、私にはどーってことないの。
 だって、トラブルを解決するときは……2人で一緒に悩めるんでしょう?
 悩もうよ。一緒に考えようよ。

「わた、しは……薫と一緒にいたいの。それだけでいいじゃない。これからまた、色々面倒なことがあるかもしれない、けど……でも、私は、薫と一緒にいたい。それだけなんだから、ね?」

 彼の背中に両腕を回し、私からもしっかり抱きしめた。
 やっと掴んだ、彼の温もり。同じ空の下にいても、一番遠くに感じた存在が……今、一番近くに、いる。

 離さない。離れたく……ない。

「……ね、ねぇ、都……痛い」

「へっ!? あ……ご、ゴメン!」

 私の横に顔をうずめ、耳元で息苦しそうに呟いた薫。慌てて両腕をほどくと、起き上がった彼が、笑顔で私を見下ろした。

 うぁぁ、思わず力んじゃったよ……自分の失態に言い訳も思い浮かばない。どうしてこう、ロマンチックな雰囲気ぶち壊すかなぁ沢城都。

 決まりが悪くなった私を、彼がニヤニヤした表情で見下ろし、

「やけに可愛いキャラだな、都。もしかしてツンデレ?」

 そんな薫に、私も思いっきり言い返してやった。

「か、勘違いしないでよね! 私は最初からツンデレよっ」



 そして、薫は自分の言葉で話してくれた。

 彼と彼女に何があったのか。何が、薫を不安にさせるのか。
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