Two Strange InterestS
「ねー薫ー、他に制服ってないのー? コスプレしてよー、コスプレー」

「大学生の部屋で制服を期待するな」

 後ろから彼に抱きつく形でくっついて訴える私を、彼は相変わらず呆れ顔であしらう。
 でも、呆れられたっていいもん! だって、制服は一種のロマンでしょう!?

「都がそんなに制服フェチだったなんて、知らなかったぞ?」

「まぁ、最近はファミレスでもマニアックな制服って多いじゃない? 薫のところはそうじゃないけど……もう、本当にメイド喫茶すれすれの制服だって多いような気がするの」

 今までは、そういう可愛い服装を可愛い女の子が着こなしてれば満足だったんだけど……でも、薫と一緒にいるようになってから、男性の制服にも目がいくようになって。
 もともと白衣とか好きだったし……警察官も、よく見るとカッコいいよね?

「ねぇ薫ー、白衣とか持ってないの?」

「文系の俺に何を期待してるんだよ!」

 さすがに無理か……本気で落胆する私に、

「制服、ねぇ……」

「薫はこだわりとか、ないの? やっぱり白衣萌え?」

「王道だけど好きだな。特に医者の白衣が好きだ」

「そう? 私は理系の白衣が好きなんだけどなぁ」

 白衣といっても、その好きは更に二つへ分岐する。
 ずばり、医者の白衣か、理系学者の白衣か。薫は前者、私は後者である。
 まぁ、二人とも両方好きなことに変わりはないと思うんだけどさ。
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