Two Strange InterestS

新谷薫、BLを語る。

 その言葉から2か月。
 あの時買ったゲームはフルコンプしたけれど、私は相変わらず、この部屋のパソコンを占領している。

「さすがに……目が疲れたー……」

 椅子の上に胡坐をかいて、画面の向こうで微笑んでいる大本命だった年上の先輩(ツンデレ)を攻略したところで、天井を見上げ、ため息。
 とりあえず目が疲れた、肩が痛い、喉が渇いた、微妙に眠い、おなかすいた。人として麻痺していた部分が正常な感覚を取り戻し、私へ一気に襲い掛かってくる。

 パソコンの時計を確認すると、午後9時を過ぎたあたりだった。えぇっと、私が授業終わってこの家に上がりこんだのが夕方だったから……えっと……時の流れって早いなぁ。

 と、この部屋の住人である新谷氏が、苦笑で私に缶ジュースを差し出す。ありがたく頂戴して一口。微炭酸が口の中に広がり、とりあえず眠気が吹っ飛んだ。
 ベッドの上に腰をおろして同じジュースを飲んでいる彼も、目元を抑えてあくびをかみ殺している様子。

 この数時間、同じ室内にいたのだが……特に盛り上がった会話はない。私はイヤホンを使って自分の世界を楽しんでいたし、彼は彼で、シリーズものを一気に読破するために集中していたし。

 趣味に没頭することを目的にした会合なので何の問題もない。ただお互い、相手に無頓着すぎるのかも。
 こんな二人の数時間ぶりの会話は、相変わらず無駄に爽やかな彼の言葉から。
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