Two Strange InterestS
「みーやこっ★」

 彼女との待ち合わせ場所は、毎度おなじみになりつつある駅ビル地下のカフェ。店内は白で統一された明るい内装。デザートと軽食がお手頃価格で充実しているので、私たちみたいな若い娘さんがよく利用する。うん、目の保養。
 ケーキセットのオレンジジュースで時間を稼いでいた私は、相変わらず快活な雰囲気全開で近づいてくる友人の姿に、思わずため息をついた。

 彼女は後藤綾美。私とは高校で知り合った親友であり二次元文化仲間。攻め。今でも地元――ここから電車で片道1時間弱――の実家から専門学校に通っているのだけど、画材などを買いにこの商業地域まで足を運ぶことが多く、互いの都合がつけばこうしてお茶を飲んで雑談している。

 少しクセのある長い髪の毛を一つにまとめ、高校時代から更に進化した、均整の取れたスタイルは私も憧れてしまう。今日は美脚ジーンズなんか着こなしちゃってさー……これで目は大きくて顔がきりっとした美人なのだから、神様はやっぱり不公平なのだと、というか彼女の遺伝子で究極美女が作れるんじゃないかと、色んなことを考えては自分が虚しくなるのである。

 ……ただ、彼女に交際を申し込んだ男は全員玉砕している。と、いうのも、彼女の好みは「テニス部の跡部様」であり、「でも、アスランみたいなタイプもいいわね」と平気で口に出すのだ。世の男はテニス部で跡部という苗字の男子部員を血眼で捜し(一人偶然いたんだよなぁ……あれは面白かった)、アスランという名前の外人タレントをネット検索するのだ。

 っていうか綾美、君が言っている二人って……間逆だよね、うん。あえて突っ込まないけどさ。
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