Two Strange InterestS
「薫、彼女を私に紹介してくれないの?」

 お願いします名前と年齢を教えてください。
 新谷氏が口を開く前に、憮然としたロリ声が返ってきた。

「宮崎林檎です。新谷先輩とは地元が同じで……」

 なるほど、林檎ちゃん、可愛い名前だ。
 同時に脳内で年齢を計算する。新谷氏は一浪しているので、年齢的には私より一つ年上。もしかしたら、私と林檎ちゃんって同じ歳? 信じられない……色んな意味で。

「林檎ちゃん、ゴメンね。今日はちょっと、彼を貸せそうにないわ」

「結構です! 私、そんなつもりじゃありませんからっ!」

 明らかな不機嫌。じゃあどんなつもりだったんだと尋ねたいところだが……ムキになってるところも可愛いじゃないか。
 彼女――林檎ちゃんは吐き捨てたところできびすをかえし、先ほど乗ってきたエレベーターに乗って……見えなくなった。

 その後姿を見送ってから……再度、ため息をつく。
 絡めていた腕をほどくと、冷たい風が通り抜けた。
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